日本語指導ガイドライン
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1           1/21                         ■1 児童の実態 ● 日常生活では支障のない程度の日本語の力がある。 ● 教科の学習への参加には、十分な日本語の力はまだ獲得できていない。 ■2 日本語指導の目標(「個別の指導計画」日本語指導の目標) ❶ 学級活動等で、教員や友達と積極的にコミュニケーションを取り、自信 をもって周囲と関わることができる。 ❷ 調べて理解したことや、気付いたこと、考えて伝えたいと思ったことを、 順序よく、筋道を立てて、相手に分かりやすく伝えながら学習に参加す ることができる。 ★本単元は②に基づき、「内容と日本語の統合学習」の授業の一環として実施 ❸ 自分の気持ちや感想、経験などを友達や先生などの周りの人に伝えなが ら、協力し合って問題を解決したり、課題に取り組んだりすることができる。 ■3 指導形態  日常会話ができても、観察したことを文章で表すような活動では、何を書け  ばよいか分からない、表現するための語彙を知らないなどから、詳しく書けな  い児童が少なくない。観点を決めて短冊メモを書く経験をさせることで、在籍  学級での生活科の観察等の学習でも、書く事柄を見付けて日本語で観察記録  を書けるようになる。書き言葉がまだ身に付いていない低学年児童にとって、  書きたいことを短いメモにし、それをつなげて文章にしていくというステップ  で学習することで、書くことへの負担感が軽減される。様々な学習場面で、書く  ことに取り組もうという意欲や、書くスキルの向上につながる。 ■1 単元名JSL理科「かんさつ名人になろう」 ■2 単元目標 【教科(理科)】 ● 葉、茎、花、実などの観点を決めて変化を観察し、分かったことを観察 文に書くことができる。 【日本語】 ● 観察の観点を知り、植物の生長の様子や変化を表す言葉を理解して、 短冊メモに書くことができる。 ● 観察文の書き方を知り、短冊メモから書くことを選び、順序を考えて観 察文を書くことができる。 ■3 展開[ 1 ] 対象児童について[ 2 ] 本単元について[ 3 ] 日本語指導案71主な学習活動語 彙具体的な様子表 現指導・支援の工夫 週2回 合計4時間、自校 グループ指導・野菜の部分を表す言葉(茎・葉・花・実)・背の高さ・茎の長さ・太さ・実の大きさ・形・触った感触を表すオノマトペ(ざらざら、 つるつる、ちくちくなど)・〜と比べて、どう変わりましたか。・変化を表す表現(茎が太くなりました/背が高 くなりました/葉が増えました /実の色が赤 くなりましたなど)・〜みたいな形・〜くらいの大きさなど1 育てているミニトマトについて、観察する部分の名前や変化を表す言葉を覚える。 T : (画像等を指しながら)ここは 茎・葉・花・実と言います。では、  クイズです。(名前を隠して)こ  こは何と言いますか。 S : (何度かやり取りして)茎・葉・  花・実です。 T : 言えるようになりましたね。で  は、茎はどう変わりましたか。 S : 大きいです。 T : 「日本語では、茎が太くなりました。  背が高くなりました。」と言います。  ※葉の数、葉の色、実の数、実の色  の変化についても、表現を確認  ・葉が増えました。  ・葉の色が濃くなりました。  ・実の数が増えました。  ・実の色が赤くなりました。 T : では、クイズです。①と比べて  ②はどう変わりましたか。 S : ②は葉の数が増えました。葉(は)茎(くき)● 部分の名前(茎・葉・花・実)や成長を表す言葉を知り、成長比較の画像を見ながら短いクイズに答えることで、聴き慣れて覚えられるようにする。● フラッシュカードのように何度も答えを見せては隠すなどして、考えこませないようにする。● 「太い・高い」などは言葉の概念が分かりやすいように、身の回りのものを比べて理解できるようにする。  (例) ◆ ホワイトボードマーカーと鉛筆 を使って「太い・細い」 ◆ 磁石の数を使って「増える・減  る」 ◆ 絵の具を水に混ぜて「赤くな    る・濃くなる」小学生【前半】タイプ Bタイプ別に見る日本語指導モデル ❺

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