日本語指導ガイドライン
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● 実際に先生や友達とじゃんけんをし、ポイントゲームをするなど、楽しく学習に取り組ませる。3122                      ■■ キーワード・DLA ・校内委員会・他校連携ガイドライン2-2● 今年度同様、アセスメント(DLA)を実施し、児童の日本語の能力の把握等に基づく、指導・支援計画を作成する。● 区内の支援校へDLAの実施方法を紹介したり、実施時に見学する機会をもったりするなど、各校でDLAを実施できる体制をつくっていく。● 国際教室での児童の様子から明らかになった内容を基に、児童理解研修を実施していく。● 国際教室での取組に対して、校内の教職員による理解を深めてもらえるよう、具体的な日本語指導の方法や、在籍学級でも活用できる取組を紹介する機会をもつ。ガイドライン4-1日本語指導担当教員の捉える力・育む力の向上を目指して目的主な取組今後に向けて世田谷区立上北沢小学校連携を視点とした日本語指導・支援日本語指導担当者会議(日本語指導推進委員会)小学生【前半】タイプ A墨田区における取組 複数の教員による第二言語の習得状況の把握特集学校の組織的な取組取組の概要取組の概要取組の概要取組のポイント日本語指導の充実に向けて(校長から)[ 1 ] 対象児童について[ 2 ] 本単元について      「じゃんけん」は、遊び以外にも、給食のおかわり、下校時に日直や先生 となど、学級の中の様々な場面でよく使われる。じゃんけんができること により、友達と関わる機会が増える。1年間の流れ月 項目 内容等[ 3 ] 日本語指導案実際の様子今後に向けて結果報告会」について連絡会の協議用シートについて日本語学級と在籍学級の連携を目指した研修の実施互いを尊重し、自ら学びに向かい表現することを楽しむ児童の育成指導・支援の実際           1/2 4月 職員会議 本校における日本語指導教室について日本語指導関係者会議① 日本語指導が必要な児童の把握、情報共有アセスメント 実態把握し、授業支援や日本語指導教室のクラス分けに活用日本語指導関係者会議② 今年度の指導体制について日本語支援員との打合せ 在籍学級での支援の在り方についての共有 5月 日本語指導関係者会議③ 個別の指導計画の作成・確認運動会 必要に応じて、日本語指導の時間に日本語に係る課題を取り上げて指導 6月 人権講話①(児童対象) 「多文化共生社会に生きる」(ふれあい月間) 7月 DLA実施 日本語能力の共有と指導・支援の充実に向けて情報交換日本語指導関係者会議④ 1学期の成果と課題の共有通知表の作成 1学期の成果の共有三者面談(保護者対象) 個別の指導計画を活用しての成果と課題の確認 8月 日本語指導関係者会議⑤ 2学期の日本語指導についての共有研修会①(教員対象) 日本語指導の手だてと実際(外部機関訪問)10月 日本語指導関係者会議⑥ 個別の指導計画の見直し11月 人権講話②(児童対象) 「これからの国際社会を生きる」(ふれあい月間)学習発表会 必要に応じて、日本語指導の時間に日本語に係る課題を取り上げて指導12月 研修会②(教員対象) 個に応じた支援の充実について日本語指導関係者会議⑦ 日本語指導の「特別の教育課程」の編成について 1月 特別の教育課程の編成 次年度の指導に向けた教育課程の作成 2月 新入生保護者会 本校の日本語指導教室についての紹介アセスメント 日本語の上達度の確認と次年度のクラス分け資料の作成職員会議 本年度の日本語指導教室と次年度の体制について 3月 幼稚園・保育園の聞き取り 幼稚園・保育園等の担当者からの情報共有日本語指導関係者会議⑧ 成果と課題の共有と次年度の日本語指導について ■1 単元名 「なかよくあそぼう〜じゃんけん〜」 ■2 単元目標 ● ルールを知り、日本語でじゃんけんやおにごっこをして、友達と仲良く 遊ぶことができる。語 彙表 現ぐう(いし)、ちょき(はさみ)、ぱあ(かみ)、かち、まけ、あいこ、じゃんけんぽん、おに、たのしい、おもしろい、つまらない、むずかしい○○さんが勝ち(負け)です。○○さんが「おに」です。 ■3 展開具体的な様子主な学習活動指導・支援の工夫1 始めの挨拶● 日付、曜日、天気を確認する。● 児童の実態に合わせ、在籍学級と同様の挨拶をする。慣れるまでは、「よろしくお願いします。」だけでもよい。● 日付や曜日から練習し、定着したら天気も答えられるようにする。● 『たのしいがっこう』「⑤なかよくあそぼう」のじゃんけんを活用する。● 実際に動作をしながら、声に出して2 じゃけんのやり方をしる。● 教師が声に出しながら、「ぐう(いし)」「ちょき(はさみ)」「ぱあ(かみ)」をやってみせる。● 声に出して、語彙を練習する。(T:練習する。「ぐう」S:「ぐう」を繰り返す。)  ※「ちょき」「ぱあ」も同様● 「かち」「まけ」「あいこ」のパターンを一つずつ確認する。 T : じゃんけんぽん。(出す)   〇〇さんが勝ち(負け)です。● 自国のじゃんけんについても、「同じ」「違う」を使って確認する。63       ------教員対象の調査から ------● 評価参照シートがあることで、今後の目標やカリキュラムについて組み立てやすくなった。● DLAにより退級の目安を知ることができた。● 実施方法を実際に見ることで、評価や支援の仕方が分かった。● DLAを通して、学級担任や日本語指導担当教員で対象児童の共通理解を図ることができた。● 日本語指導の根拠となる、児童・生徒の日本語の能力を把握・分析することの必要性を実感してもらうことを目的に、連絡会の課題として設定した。● 協議では、DLAの実施中に児童・生徒が見せた姿と普段の指導内容との不一致に気付き、重点を置くべき指導内容が明確になったとの声が聞かれた。また、日本語指導の時間を充実させるだけでなく、それ以外の時間も活用しながら、日本語指導の充実を図っていくことが重要であることを改めて認識し、読書活動等の取組を始めたとの報告もあった。協議用シート(一部抜粋)18ガイドライン4-3生徒ごとの時間割表生徒が作成・管理●一定数の外国籍の児童が在籍しており、在籍児童のうち13名が、日本語指導教室を利用している。●市の援助を受けて、放課後オンラインで日本語指導を受けている児童が2名いる。●指導・支援を行き届かせるためにも、常に取組を見直し、授業等の工夫改善に取り組んでいる。●日本語指導担当教員は加配教員1名である。市内には同様の日本語指導教室が他に3校あり、年間4回の日本語指導コーディネーター連絡会において、研修や情報交換等が実施されている。●全教職員が国籍に関わらず、子供の困り感に寄り添い、必要とする支援を積極的に行っていく。●様々な国の文化や人々と触れ合い、知るだけではなく、それを受け入れる豊かな心情が育つ機会を設定している。●羽村市教育委員会による年間4回の日本語指導コーディネーター連絡会では、市内4校の日本語指導担当教員が集まり、授業研究や協議、各校の取組についての情報交換等を通して、各校における日本語指導の充実を図っている。●近隣の日本語指導を行っているNPO施設などを訪問し、外国人児童生徒等に対する理解の促進と日本語指導の方法について学び、校内で共有している。●「対話と協働」を大切に、児童の立場に立ち、日本語指導担当教員と学級担任が連携を密にするとともに、子供の使用言語が話せる外国語コーディネーターの意見も参考に、児童・保護者に寄り添いながら安心感を与えられるようにしている。●保護者とのやりとりが日本語だけでは難しい部分があるので、外国語コーディネーターとも連携を図り、日本語指導の趣旨について丁寧に説明し、理解を得ている。●教科指導の進度や在籍学級における困り感を毎回共有しながら、指導につなげている。日本語指導担当教員から学級担任への授業後のフィードバックも即日実施している。 ■1 児童の実態 来日直後で、日本での学習経験がなく、日本語もこれから学ぶ。 ■2 日本語指導の目標(「個別の指導計画」日本語指導の目標) ❶ 先生や友達とコミュニケーションを取ることができ、遊びや生活の中 での日本語を理解できる。        ★本単元は①に基づき、「生活のための日本語」の授業の一環として実施 ❷ ある程度の支援を得て、授業に参加でき、教師の話の内容は大まかに 理解できる。 ❸ 自分の気持ちや感想、経験などを友達や先生などの周りの人に伝えな がら、関係をつくることができる。 ■3 指導形態 週1回 合計2時間、自校又は通級(他校) グループ指導      おにごっこは、体を動かすゲーム性があり、この年齢の子供にとって魅 力的な活動である。また、内容やルールを工夫することで、多様な楽しみ 方や学び方ができ、その経験は学年が上がっても活用可能である。 ●学級担任との連携 ●日本語指導担当教員が学級担任と学習内容について確認し、個別に指導した方がよ い内容と、在籍学級での一斉指導の中で担当が支援した方がよい内容を相談をして 決めている。 ●日本語指導担当教員が学級担任と日本語指導教室での児童の生活や学習の様子につ いて連絡を取り合い、指導後の学習の成果や課題など、教室では見られない部分を学 級担任に知ってもらうようにしている。●アセスメント(DLA)の実施 ●日本語指導担当教員が、東京都教育庁が実施するアセスメントの実施を見学。  評価検討会議に参加し、DLAの実施方法を学ぶ。 ●DLAの結果については、学級担任、保護者、管理職と共有し、学級担任や保護者等の 認識との違いを確認する。改めて児童の日本語の能力を把握し、指導・支援の方針 を確認するとともに、日本語指導担当教員が指導計画の見直しをする際の資料の 一つとしている。●他の支援校との連携 ●世田谷区帰国・外国人相談室や支援校(小学校3校・中学校1校)との情報交換を毎 月行い、日本語指導担当教員の学校を超えたネットワークづくりに努めている。 ●様々なケースにおける児童の指導方法や教材等の情報交換を行い、本校での指導に 生かしている。 ●中学校での帰国生徒等の苦労や、高校進学への心構え等の支援方法を聞き、小学校 での指導が中学校や高校への進学にどのようにつながっていくのかを考えるよい機 会となっている。 委 員 : 日本語学級担当教員、在籍学級担任、養護教諭、管理職 内 容 : 日本語指導担当教員を中心に、取り出し指導の内容や方法の共有   取り出し指導の対象児童の状況等について検討(武蔵村山市教育委員会)■1 関連項目  「全ての教職員の理解促進と資質・能力の向上」■2 取組のポイント  講義に加え、日本語学級による発表を実施することで、地 区における指導の実際について理解を深め、日本語学級と 在籍学級が連携し、児童・生徒への指導・支援の充実を図る。■3 主な取組内容  テーマ: 外国人児童・生徒等に対する日本語指導の充実について  日 時: 夏季休業中に実施(2時間)  対 象: 日本語学級の教員及び日本語学級に通級する児童の学級担任等(令和6年度14名参加)  主な内容:•講義「日本語指導の充実に向けて」(都教育委員会指導主事)•発表「村山学園日本語学級の取組について」(日本語学級主任)•協議「日本語指導が必要な児童・生徒のために、私にできること      −校内での指導・支援と校外との連携−」■4 成果 〈研修参加者の感想〉    ● 年齢的な発達と日本語の習得状況を踏まえて日本語指導をすること等、外  国人児童・生徒等への指導の具体的な在り方を知ることができ、今後の指導  や支援、新たに児童・生徒を受け入れたときの対応方法等のイメージを明確  にすることができた。  ● 学校が一体となって、外国人児童・生徒等への対応に取り組んでいき、子供  たちの困っていることに寄り添っていきたい。  〈研修担当指導主事〉  ● 日本語指導が必要な児童・生徒の存在についての認識や、しっかりと指導・  支援していかなければならないという意識を、参加者全員で共有できたこと  は成果である。また、日本語学級の存在だけでなく、指導方針や具体的な指  導内容を知る機会をもてたことは、今後、市内において、日本語指導が必要  な児童・生徒の指導・支援を進めていく上で、意義のあることだった。次年度  以降も、夏季研修等のテーマとして扱っていきたい。57●これまでもDLAに取り組んでいる「日本語学級」において、実施及び活用の充実を図る。●DLAの実施等に関する資質向上研修を実施し、日本語指導加配教員のDLAを実施する能力の向上及び計画的に実施する体制づくりを目指す。■1 日本語指導担当教員のDLAを実施する能力の向上   ●DLA講習の受講(全校)   ●DLA実施時に日本語指導担当教員も同席し、自らもアセスメントを実施   ●結果報告会における協議■2 外国人児童・生徒等支援連絡会等におけるDLA実施結果の活用   ●DLAを実施して、指導内容を変更した児童・生徒について協議    〈協議用シートの内容〉     ❶実施前の指導 ❷DLAの結果 ❸実施後の指導●日本語指導担当教員を対象とした研修会の実施  (日本語指導教室での授業観察等)●DLA実施者の養成(都教育委員会の研修を活用)●今年度実施校におけるDLAの継続的な実施●日本語指導加配校以外へのDLAの実施●DLAの活用例の収集・周知・啓発日本語指導推進ガイドライン 4-1 アセスメントの実施文部科学省 外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA■第 4 章 継続的なアセスメントと個別の指導計画 (スウェーデン テルスボルグ中学校)■1 関連項目 「学習評価と指導の終了」■2 取組のポイント  複数の教員で、生徒のスウェーデン語の習得状況や予備クラスでの様子を確  認し、教科の授業等への参加の可否を判断し、指導・支援の方法を明確にする。■3 主な取組内容 予備クラス : 新規入国生徒を対象に、スウェーデン語の授業を実施        入国当初は全時間、予備クラスに参加し、徐々に普通クラスに移行 生徒の年齢、出身国、学習経験、スウェーデン語レベルは多様  第二言語としてのスウェーデン語の国家試験 (9年生の春に受験)の合格を目指す。スウェーデン語指導担当教員と各教科担当教員が、新規入国生徒のスウェーデン語の習得状況や予備クラスでの様子を確認し、授業への参加について科目ごとに判断する。 予備クラスでの指導の終了や、各教科等での具体的な指導・支援の方法を確認する。授業の様子皆が話しやすいよう日常的な会話からスタート■4 成果  ● スウェーデン語の教員の判断だけでなく、教科担当教員等と共に、対象生徒  の実際の姿を共有することで、できることと支援があればできることとを把  握し、生徒に応じた指導の充実を図っている。47[ 支援校との連携 ]帰国・外国人教育相談だより(月1回発行)[ アセスメント ](DLA)の実施フィードバック の様子(10月)12■第 6 章 専門性の向上と理解促進ガイドライン6-2● 特集ページ学校の組織的な取組● その他の特徴指導モデル事例日本語指導担当教員の1年各地区等の特徴的な実践DLAモデル地区の実践報告他国の事例タイプ別に見る日本語指導モデル ❶ 「日本語指導推進ガイドライン」に示したタイプ別に見る日本語指 学校長の校内体制への考え方に基づき、1年間の取組を網羅的に示すとともに、その一部事例をピックアップして示しました。小・中・高等学校の校種による特徴が分かります。導の指導モデル事例を、14事例示しました。 日本語指導担当教員が、 1年間を通して実施している様々な取組を示しました。特に、日本語指導担当教員が要となって、校内の教員や関係機関等と連携して取り組んでいる実践に焦点を当てています。 各地区等で実践されている日本語指導の中で、特徴的な取組を「日本語指導推進ガイドライン」の項目に沿ってまとめました。  日本語指導推進に向けて東京都で推奨している「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」を、先駆的に実施しているモデル地区の実践をまとめました。 第二言語言語習得の視点から、スウェーデンで実践されている取組を紹介します。 「日本語指導推進ガイドライン(実践編)」の特徴

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